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Liz und Richard im Hotel

LizとRichardはついにホテルから追い出される.一ヶ月以上宿泊料金を滞納していたのだ.しかし二人は,追い出されるだけで支払いをしなくても良いなんて,なんとラッキーなことだろうかと気分良く追い出された.次の宿泊先はどこも決まっていなかったし,もちろん金も十分に持っていなかったので,とりあえず外に出てこれからのことを考えることにする.

Liz und Richard im Hotel
Liz und Richard in der Stadt

Liz und Richard in der Stadt

結局何もすることが無いので,市内に佇む二人.

建築材と目的の無い二人.
そして沈黙.そして,沈黙.

Vor der Deutschlandhalle

暇だったのでRichardを置いてホールに行った.タバコを自動販売機で買った. ちなみに,タバコの自動販売機はドイツと日本にしか無いらしい.タバコは普通一箱20本だが,ドイツの自動販売機では19本や21本など,中途半端な本数のタバコが存在する.しかしこれは不良品だったり,タバコ製作会社がズルをしていたりするのでは無く,お釣りが出ない代わりにタバコの本数が調節されているわけである.そう,ドイツの自動販売機はお釣りが出ないのである.

彼女はついうっかり手元にある唯一の現金を自動販売機に入れてしまった.入れてしまったお金は全てタバコを購入する以外の手が無い.しかし彼女は電車に乗るために現金が必要であったため,タバコを買いそうな人に声をかけつつ,現金と交換してもらうことにした.

ホールの中は禁煙だったので外に出た.禁煙なのに何故ホール内でタバコの販売が行われているのかはわからなかった.

Vor der Deutschlandhalle
Billard

Billard

Richardは撞球に勤しんでいた.ルールはナインボール.9番のボールさえ入れれば勝ちというなんとも理不尽なこのルールが気に入っていた.彼の友人はRichardに比べてとても下手だったので,いつも1番から8番までは相手に多く入れさせることで期待感を持たせ,9番ボールを入れるときには真剣にプレイした.
ナインボールの最後の9番ボールを入れるチャンスに立たされたとき,人は大抵“入らなかったらどうしよう”と考える者と“絶対に入れてやる”と考える者との二つに分かれる.Richardはいつも後者だったが,今日に限っては何故か前者であった.

Am Mikrophon

あるレコーディング

Am Mikrophon
New York

New York

実家はつまらなかった.そこには人の目を引くものなど何一つ存在しなかった.あくびのでる風景は嫌いで,時間があれば街に出ていた.一年発起,ドイツを飛び出し,アメリカに辿り着いた.しかし彼女の英語はあまり上手くなく,さらに十分な用意をしていなかった為,不安で一杯だった.

ニューヨークのビル群を対岸から見渡してみたが,その無機質なビル群の上空に広がる青い空の色に,これならおそらくやっていけるだろうとMichiは少し安心した.

見慣れた空よりは少し濁った色だった.

Michi im Schuhladen

歩きつかれたMichiは,たまたま通りかかった靴屋に立ち寄る.慣れないヒールを履いていたせいか,靴擦れが酷い.
はたしてアメリカ人の足の形に合うのだろうかと心配したが,試しに履かせてもらうとぴったりだった.そもそも店員は北欧系の顔立ちだったし,となりでシューズを物色しているのはアジアンだった.“アメリカ人の足の形”とは何なのかわからなくなった.
店員は親切.良い靴も見つかった.立ち寄って良かった.

機嫌よくカードで支払いをし,カフェを探しに気持ちよく歩いた.


足の痛みは一層激しくなった.

Michi im Schuhladen
Ohne Titel

Ohne Titel

痛みで気分が悪くなってきた.機嫌も悪くなった.足の痛みは依然として増す一方だ.
寂れたカフェを見つけたので,一時休憩することにした.本来は気分良くコーヒーを啜りながら思案に耽るつもりだったのだが,“休憩”となってしまったことに憤りを覚えた.

カフェに入っても一向に店員が現れない.大声で叫んで,ようやく店の奥からダラダラとやってきた.

ドイツではチップや税金はすでに料金に含まれている.しかしエチケットとして“端数を切り上げる”形でチップをあげるというのが普通である.
Michiの頼んだFlavored Latteは$2.85.サービスは酷いものだったが,Michiはチップの分を上乗せし,$3.00にして払ってやった.しかしウエイターはチップの催促をしてきた.アメリカではウエイター本人に個別に渡すもののようだ.“もう払った”と言うと,ドイツ人はやはりケチだな,と小声で言うのがえらく耳を劈いた.店に入る前からイライラしていたというのに.

その後のワンシーン

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